
快楽主義の哲学 (文春文庫)
澁澤 龍彦
文藝春秋 / 1996-02-09
この本について
最近、「楽しさってなんなんだろう」とか、「幸せに向かって努力してるはずなのに、どこか満たされない」という話をよく聞きます。仕事でも私生活でも、つい“正しいはずの基準”に合わせにいって、自分の感覚がどこか置き去りになる感じ、けっこうありますよね。私自身もその迷いの中で、この本を読んだときに、視点を横からひっくり返されるような感覚がありました。 澁澤龍彦の『快楽主義の哲学』は、「幸福」と「快楽」のちがいを、抽象じゃなくて“体の感覚”まで引き下ろして語ってくれます。幸福は主観的で、人それぞれ。でも快楽は感覚として確かにそこにある、という指摘は、無理に“正しい幸せ”を追うより、まず自分の身体の反応を見にいけばいいんだと教えてくれました。また、「退屈を避けすぎると、かえって快楽が死ぬ」という話も、日々の小さな瞬間をどう扱うかを考え直すきっかけになります。さらに、「規格品の快楽」に流されるとむなしさが残るという視点は、SNS的な“楽しそうに見せる快楽”に疲れている人にとって、かなり刺さるはずです。 ちょっと突き放した語り口なのに、人間の弱さにちゃんと目を向けているところが、この本の不思議な優しさだと思います。自分の感覚に戻りたい人、幸福という大きな言葉に振り回されがちな人に向いています。自分のペースで読みつつ、今の生き方の“温度”を確かめたいときに手に取るといい一冊です。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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