
体験格差 (講談社現代新書)
今井悠介
講談社 / 2024-04-18
この本について
子どもの習い事や体験活動って、親の気持ちとしては「できるだけ広い世界を見せたい」と思う一方で、実際にはお金や時間、そもそも情報の少なさで選択肢が限られてしまうことがありますよね。自分が子ども時代にどんな体験をしてきたかによって、我が子に与えられる機会が変わってしまう、という現実にもどこかモヤっとします。 『体験格差』は、そのモヤモヤを「個人の頑張りでは埋めづらい構造の問題」として見せてくれる一冊でした。体験を届ける仕組みが地域ごとに細っていること。教室やクラブそのものが減っていること。そして、最終的には一人のコーチや講師といった“具体的な大人”が子どもの経験を左右していること。読んでいて抽象論ではなく、地域で実際に起きている変化の輪郭がクリアになっていきます。 同時に、希望の部分も描かれています。地域に精通したコーディネーターが子どもと体験を丁寧につないでいる現場や、学校外でのキャンプやお出かけが、困難を抱えた子どもの心の支えになっているという話。体験はぜいたく品ではなく、子どもの成長にとって必要なものなんだと、過剰にロマン化せずに教えてくれます。 自分の子どもにどう関わるべきか悩んでいる人、あるいは「地域の中でできる支援って何だろう」と考え始めている人には特に刺さる本だと思います。
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