
登山と身体の科学 運動生理学から見た合理的な登山術 (ブルーバックス)
山本正嘉
講談社 / 2024-05-16
この本について
平日は仕事でバタバタして、運動らしい運動がほとんどできないまま週末を迎える。登山が好きでも、「こんな不規則な生活で山に行って大丈夫かな」とか、「結局ただしんどいだけで、体づくりになっているのかよく分からない」というモヤモヤ、僕もずっと抱えていました。山でのしんどさって気力の問題じゃなくて、身体の使い方を知らないだけなんじゃないか…と、この本を読んでしみじみ思いました。 面白いのは、上りと下りで身体がまったく違う働きをしているという説明です。上りでは脂質を使う遅筋が働いて心肺が鍛えられて、下りでは糖質を使う速筋が働いて筋骨格が鍛えられる。山を往復するだけで両方の筋線維が使われている、という視点は、自分の登山の感覚にすっと馴染みました。さらに、朝食でエネルギーを前倒しに補給しておくとか、行動中は炭水化物を小分けに入れていくとか、知っているようで実はやっていなかったことが多くて、読むだけで翌週の山行の疲れ方が変わります。 特に刺さったのは、「主観強度11〜12がちょうどいい」という話。鼻呼吸で歩けるくらいのペースに落とすだけで、急登でも脚が最後まで残る。自分のペースをどう作ればいいか分からない人には、かなり現実的な指標になると思います。 登山を“気合”ではなく“仕組み”で楽にしたい人に届く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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