
映像と企画のひきだし
黒須美彦
この本について
仕事で企画を考える時って、「どうせ見てもらえないんだよな…」みたいな諦めが先に来ること、ありませんか。僕もよくあります。せっかく考えても、相手の生活の中にすっと入り込める気がしない。届く感じがしない。そこで毎回つまずくんですよね。 この本が面白いのは、派手な理論じゃなくて「そもそも人はどんな状態で情報を受け取っているのか」という、ごく当たり前な視点から企画を立て直してくれるところです。たとえば、著者が「お茶の間=コタツでせんべいを食べてる状態」と捉えて、そこから“どうやったら手を止めてもらえるか”を考えていくくだりは、広告の話なのに自分の仕事にもそのまま重なる感覚がありました。日常の惰性の中にどう「おや?」を差し込むか、という視点はかなり実用的です。また、媒体側の立場で「この箱から何が飛び出してきたら人は振り向くか」と考える“出口発想”の話も、発想が煮詰まった時の抜け道になる感じがします。 さらに印象的だったのは、奇をてらうだけでなく「その新しさは本当に好感につながるのか」という、品や距離感の話を丁寧に扱っているところで、ここが読者に刺さっているのも納得でした。目立てば勝ち、ではなく、日常の温度を壊さない工夫こそが効く、という視点は、どんな企画仕事にも応用できます。 「人の手を止める企画ってどう作るんだろう」と悩む人に静かに効く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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