
【電子特典付き】ジャパン・ホラーの現在地 (集英社ノンフィクション)
吉田悠軌
集英社 / 2024-07-05
この本について
最近、ネットで何かの怪談動画を見ても「怖いのは怖いんだけど、なんでこう感じるんだろう?」みたいな奇妙な引っかかりが残ることが多くて。昔みたいに単純な“驚かし”ではなく、じわっと生活の側に入り込んでくる感じがあるんですよね。自分の感覚が変わってしまったのか、ホラーの側が変わったのか、その境目がよくわからないまま放置していました。 吉田悠軌さんの『ジャパン・ホラーの現在地』は、そのモヤモヤに少し輪郭をつけてくれた本でした。テレビが「こちら側に勝手に侵入してくるメディア」だという指摘や、VHSの粗い画質を経験していない若い世代までが「なぜか怖い」と感じてしまう理由、そしてネット怪談が広がっていく力学。どれも、自分が言葉にできずにいた感覚を代わりに整理してくれるようで、妙に腑に落ちました。怖さの正体が全部わかるわけじゃないけれど、なぜ曖昧なままでも成立してしまうのか、その構造に触れられるのが面白いところです。 特に、視聴者も編集者になってしまった現代の「ミーム汚染」の話は、自分が普段SNSで遭遇している“変な広がり方”の正体を少しだけ照らしてくれました。ホラーに限らず、情報が人の手をすり抜けながら形を変え、勝手にこちら側へ忍び込んでくる感覚って、いまの生活そのものに近いなと感じます。 ホラーを「作品として楽しむ」というより、今のメディア環境そのものに違和感や興味を覚えている人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの37%が集中しています。
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