
ホラー映画の科学
ニーナ・ネセス and 五十嵐加奈子
この本について
最近、なんで自分はあのシーンだけ妙に引きずるんだろう、とか、薄暗い廊下を見るだけで心拍が上がるのはなぜなんだろう、みたいな小さな怖さの残りかすに困ることがあって。この本を読んでみたら、単に「ビビりだから」では片づけられない背景がいろいろあるんだとわかって、少し肩の力が抜けました。 面白かったのは、恐怖の記憶には変化しにくい扁桃体由来のものと、更新されやすい海馬由来のものがちゃんと分かれているという点で、あの“忘れたいのに忘れない感じ”にも理由があるということ。また、フリーズ反応や闘争・逃走反応の仕組みを知ると、映画の中で自分がどんな反応をしやすいのかが腑に落ちてきます。さらに、ホラーを楽しむタイプにも意外と細かい分類があって、誰かと一緒に観たくなる人や、超自然系とリアル系で反応が変わる人がいるのも、性格や刺激欲求とつながっているらしいという視点も新鮮でした。 ホラーというと「怖がりかどうか」で語られがちですが、この本はもっと現実的で、人がなぜ恐怖を求め、なぜ記憶がこびりつき、どう向き合えばいいのかを科学として説明してくれます。怖がりだと思っている人ほど、むしろ救われる部分があると思います。 自分の“怖さのクセ”を理解したい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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