
スマートシティとキノコとブッダ 人間中心「ではない」デザインの思考法
中西 泰人、本江 正茂、石川 初
この本について
最近、テクノロジーや環境の変化を前に「自分の考え方がどこか狭くなっている気がする」「人間中心で考える癖が抜けなくて、答えが行き詰まる」と感じることがありました。便利さは増えているのに、視野はむしろ縮んでいるような感覚です。 この本は、そんなモヤモヤに対して“もっと別の見方があるよ”と静かに教えてくれます。たとえば、上下逆さまの絵を描く話は、思い込みを外すってこういう具体的な感覚なんだと腑に落ちましたし、レコメンドに導かれて動く自分の行動を「スマホを運ぶメディア」と言い切る視点には、ちょっと苦笑いしつつも心当たりがあるはずです。さらに、人間以外の存在や環境全体をひとつの知性として見る考え方に触れると、「中心に立ちたがる自分」の前提がそもそも揺らぎます。 私にとっては、答えを遠くから探しに行くのではなく、手元のものから新しい意味が立ち上がる感覚を丁寧に思い出させてくれる本でした。「いまあるモノで何か作ろうか?」という、あの家庭料理の比喩がまさにそれです。完璧な設計図より、観察しながら手を動かすプロセスにこそ未来があるのかもしれません。 人間中心で考えることにちょっと窮屈さを覚えている人にとくに刺さると思います。
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