
世界でいちばん透きとおった物語2(新潮文庫nex)
杉井光
新潮社 / 2025-01-29
この本について
最近、人と距離を置きたい気分なのに、放っておくと逆に乾いていくような感覚が出てくることがあります。ひとりでいたいのか、誰かと関わりたいのか、自分でもよくわからなくなるあの感じです。創作に関わっている人なら、孤独が必要なのか、それとも他者とのやりとりが欠かせないのかで揺れることも多いと思います。 『世界でいちばん透きとおった物語2』は、その揺れをそのまま物語として手渡してくれるような一冊でした。登場人物たちが語る「孤独を愛する」という言葉は、強がりではなく、ひとりで立とうとする気持ちのぎこちなさまで含んでいて、自分の中にある迷いをそのまま見せられたような気分になります。また、驚きと納得を両立させようとする創作論が物語の芯にあって、読みながら「確かにこれは簡単じゃない」と何度も頷かされました。ただの技術論ではなく、何かをつくるときの恐さや美しさまで含めて語られているのが、この巻の面白さだと思います。 読み終わったあと、自分の苦しさを「苦しかった」と言葉にできる瞬間が確かにあることを思い出させてくれました。誰かに理解される実感って、ほんの少しでもあると呼吸が楽になりますよね。そういう回復の仕方を、この物語は派手ではなく静かに描いてくれます。 創作に限らず、「ひとりで考え込む癖があるけれど、どこかで誰かの言葉を必要としている人」に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの80%が集中しています。
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