
ニセコ化するニッポン (角川書店単行本)
谷頭 和希
KADOKAWA / 2025-01-30
この本について
街づくりやサービスの現場で、「これって誰のための空間なんだろう」と感じることが増えてきました。値段が上がったり、雰囲気が急に変わったりして、いつのまにか自分が“対象外”になっているようなあの居心地の悪さです。仕事でも同じで、ターゲットを絞る判断を迫られる一方で、「それって誰かをそっと排除してないか」と落ち着かなくなる瞬間があると思います。 この本が面白いのは、そのモヤモヤを「ニセコ化」という視点で丁寧に解いてくれるところです。単に成功事例を礼賛するのではなく、選択と集中が成功を生む一方で、必ず“静かな排除”が起きることを具体的に描いている。価格設定で客層が自然に選ばれていくプロセスや、強みを見つける前に集中しすぎる危うさなど、仕事の場面にそのまま置き換えられる話が多いです。特に、マーケティングとブランディングが結びつき、“これじゃないとだめだ”という状態をどう作るのか、その裏でどんな分断が生まれるのかを行き来しながら語る構成は、自分の判断基準の解像度を上げてくれます。 どちらかといえば、「勝てる方法を知りたい人」よりも、「選びながらも迷ってしまう人」に刺さる本だと思います。場づくり、サービス設計、企画に関わっていて、判断の影響範囲にいつも敏感になってしまう人には、静かに効いてくる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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