
叫び
畠山丑雄
東京創元社 / 2013-11-29
この本について
最近、自分の軽さに耐えられない瞬間ってありませんか。何か行動しようにも天秤が揺れ続けて、決めたことさえすぐに「本当にこれでいいのか」と曖昧になっていく。そうやって自分の輪郭が薄れていく感じに、うっすら不安を覚える。かといって、他人に強く肯定されたいわけでもない。ただ、自分がどこに立っているのかを確かめたいだけなんだと思います。 『叫び』を読んでいて感じたのは、この本が“答え”ではなく“揺らぎそのもの”を正面から扱っていることでした。自分を否定されることでむしろ心が軽くなる瞬間や、歴史を実践の道具としてではなく、自分を名づけ続ける修行として捉える視点。そのどれもが、普段見ないふりをしてきた内側のざらつきと向き合うきっかけになる。叫びが空間のどこかに残り続けるように、人の行為の痕跡や痛みが、静かに自分の中で響いてくる感じがあります。 とくに響いたのは、世界を舞台として演じ始めたとき、人はいつの間にか自分が演じていることすら忘れてしまうという指摘でした。仕事でも人間関係でも「正しさ」や「役割」に寄せようとしすぎると、気づかないうちに自分が空洞になっていく。そんな状態から一度離れて、自分の“叫び”がどこに閉じ込められているのかを見に行く読書体験になると思います。 自分の存在感の薄れや、役割の中で迷子になる感じに思い当たる人には、特に刺さるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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