
風立ちぬ
堀 辰雄
オリオンブックス / 2013-08-19
この本について
仕事でも生活でも、ふと「この先どうなるんだろう」と立ち止まってしまう瞬間があると思います。やるべきことは分かっていても、気持ちが追いつかないまま日々をこなしていると、今ここにあるものの手触りがどんどん遠くなるような感覚があります。そんなときに読み返したくなるのが『風立ちぬ』です。 この物語が効いてくるのは、派手なドラマがあるからではなく、読者が保存していたような“ふたりで膝を寄せ合う時間”や“回復が遅いからこそ感じられる確かさ”といった、静かな場面が淡々と描かれているからです。行き止まりに思える状況でも、なお生活を続けていく人間の姿勢が、その静けさの中ににじんでいます。誰かの呼吸や体温に支えられて、ようやく今日を選べることって実際ありますよね。物語の人物たちが味わう微細な幸福は、決して特別なものではなく、自分の生活にも同じような瞬間があったことを思い出させてくれます。 大げさな希望ではなく「それでも生きていくしかない」という、ごく現実的な強さを受け取りたい人に向いている一冊です。読んでいると、自分のまわりにも気づかないうちに灯っている明るさがあるのかもしれない、と少しだけ思えるようになります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの34%が集中しています。
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