
家出のすすめ (角川文庫)
寺山 修司
角川書店 / 2005
この本について
親や家のこと、責任のこと、人との距離感のこと。大人になってもずっとついて回るテーマってありますよね。自分でも気づかないうちに「こうあるべき」に従ってしまって、息苦しさの理由がよく分からないまま日常だけが進んでいく感じ。僕もときどきそのモヤモヤに飲まれます。 寺山修司の『家出のすすめ』は、そこに正論を投げる本ではなくて、「そもそも、その前提ほんと?」と軽く足元を揺らしてくる本です。親子を“友情”として捉えてみるとか、日常の役割からちょっと“変装”してみるとか、責任の話をあえてズラして考えてみるとか。大げさな人生論ではなく、明日からの行動をひとつ変えられるような角度で、既存の枠組みを小さく解体してくれます。 読んでいて思ったのは、「自分はこういう人間だ」と決めつける前に、一度“成りつつある途中の自分”として扱ってあげてもいい、という視点でした。家を捨てろという話ではなく、家でも社会でもない場所に自分の感覚を置いてみるだけで、意外と自由度が戻ってくる。そんな不思議な読後感があります。 常識や家族観にどこか違和感があるのに、言語化しきれていない人にはとくに刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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