
動きが心をつくる 身体心理学への招待 (講談社現代新書)
春木豊
講談社 / 2011-08-17
この本について
仕事で考えが煮詰まってくると、「もっと頭を使わなきゃ」と思い込みがちですが、実際には机に張り付いたままでは余計に視野が狭くなることがあります。僕自身、考え疲れしているのに座り続けてしまい、気持ちだけが空回りする日が何度もありました。そんなときに読んだのが『動きが心をつくる』で、抜粋を見ても分かるように、読者の多くが「心より先に動きがある」という視点に強く反応しているのを感じます。 この本が面白いのは、「動きは脳の指令の結果」ではなく、もっと原始的で、環境とのやり取りの中から生まれるという考え方を丁寧に示しているところです。たとえば、漢字を思い出すときに手を動かすだけで再生率が上がる実験や、威嚇・服従といった動物の姿勢が人間の挨拶の原型になっている話は、行動が心に先行するという感覚をすっと腑に落とします。知識を積むだけでは変われない感じがしていた人ほど、「体が変わると認知も変わる」という当たり前のようで忘れがちな事実が刺さると思います。 大げさな技法を教える本ではありませんが、姿勢や動きを少し変えるだけで、考え方が硬直していた理由が見えてくる瞬間があります。知識偏重の時代で、どうにも頭が疲れ切ってしまった人に静かに効いてくる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの45%が集中しています。
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