
五体不満足 完全版 (講談社文庫)
乙武洋匡
講談社 / 2001-04-06
この本について
最近、自分の弱さやコンプレックスをどう扱えばいいのか分からなくなる瞬間ってありませんか。人からの気遣いに逆に距離を感じたり、自分でも気づかないうちに“特別扱いされたい気持ち”が顔を出してしまったり。頭ではわかっていても、感情がついてこないことがあると思います。 『五体不満足 完全版』を読んでいて印象的だったのは、まさにその「自分の捉え方が一番の妨げになる」という視点でした。障害がある/ないではなく、環境にどう置かれ、どう受け止めてきたかで心の重さが変わってしまう。入院中、親が帰る時間になると「あと1分いて」と言ってしまう幼い乙武さんの姿や、手術の傷を「Vサイン」と父親が言ってくれた瞬間に、つらさがほんの少し違う見え方に変わるくだりは、自分の経験とも地続きに感じました。状況は違っても、心が弱る構造はどこか似ているんだと思います。 この本が効くのは、強がりや劣等感の扱いに迷っているときです。自分の弱さを否定しないまま、もう一段フラットに物事を見られるようになる。誰かの支えに依存しすぎず、かといって突っぱねるわけでもない、その中間の姿勢を思い出させてくれる一冊でした。 とくに「人からの優しさにどう向き合えばいいのか悩む人」には刺さると思います。
読書インサイト
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