
トリアングル (中公文庫)
俵万智
双葉社
この本について
人間関係って、白か黒かで割り切れれば楽なんですが、実際はそんな単純じゃないですよね。誰かへの気持ちが揺れたり、関係の「位置づけ」が変わったりすると、自分でも驚くほど心の景色が変わってしまう。頭では整理できているつもりなのに、気持ちはまったく言うことを聞かない、あの感じ。読者の方が保存している抜粋を見ると、まさにその“揺れ”に触れているんだろうなと思いました。 『トリアングル』は不倫や恋愛をテーマにした物語ですが、単に刺激的な関係を描いているわけではなく、むしろ「人がどう揺れ、どう言い訳し、どう折り合いをつけるか」を丁寧に描いています。たとえば心がオセロみたいに一気に黒に変わる瞬間の描写は、感情のコントロールが利かなくなるときの、あのどうしようもなさを思い出させますし、「椅子は二つあって、種類が違う」という例えは、関係を一本の物差しで測れない現実そのものだと感じます。恋愛のきれいごとではなく、日常と折り合いをつけながら続いていく感情の実態に寄り添ってくれるところが、この本の効くポイントだと思います。 「白黒つけられない気持ちを、どう扱えばいいのか」に悩んでいる人にはとくに刺さるはずです。結論を出すための本というより、自分の中にある正しさと弱さの両方を、そのまま置いておける場所をそっと広げてくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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