
チョコレート語訳 みだれ髪 (河出文庫)
俵万智
河出書房新社 / 2002-07-10
この本について
恋愛でも仕事でも、人と向き合うときに「気持ちの強さの行き場がないな」と感じる瞬間ってありますよね。好きだからこそ言えないこと、嫉妬してしまう弱さ、割り切れなさ。頭では整理できていても、心だけが前に出てしまうときのモヤモヤって、案外どこにも置き場所がないまま残ります。 俵万智さんの『チョコレート語訳 みだれ髪』は、その行き場所のない感情を、少しだけ外に出すための踏み台みたいな本でした。抜粋にもある通り、嫉妬も未練も願いも、きれいに整えずにそのまま歌にしているんです。「嫉妬している」「寂しくないの?」「春なのに色なし草がぼうぼう」みたいな、きれいごとじゃない気持ちが、そのまま置かれている。それを読んでいると、自分だけがぐちゃぐちゃなんじゃないんだと思えて、少し呼吸がしやすくなる瞬間があります。 そして、恋の高揚や未練を「桜」や「若鮎」や「秋草」に重ねる視点が、感情を直接つかむよりも手前の“ゆるい距離”を作ってくれるのも、この本の良さだと思います。気持ちに正面から向き合う余裕がないときほど、こういう言葉のクッションがありがたい。 恋の悩みを誰にも言えないまま抱えている人、または「自分の感情に名前をつけるのが苦手な人」に静かに刺さる一冊です。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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