
超訳論語
安冨歩
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2012-12-15
この本について
人と関わる場面で、つい相手に合わせすぎてしまったり、逆に評価を気にしすぎて自分の声が埋もれていくような感覚ってありませんか。仕事でも私生活でも、うまくやろうとするほど「自分が何を大事にしたかったのか」が見えなくなって、あとから妙な疲れだけが残る。僕自身、そのぐるぐるから抜けられずにいた時期が長かったです。 『超訳論語』が面白いのは、「他人が自分を知ってくれないこと」よりも「自分が自分を知ろうとしていないこと」の方が大問題だ、とズバッと言い切るところ。これに触れたとき、外に向かっていた意識がスッと内側に戻る感じがありました。また、曾子が毎日やっていた三つの点検──目上に尽くしすぎて自分を裏切っていないか、友人に合わせて本心をねじ曲げていないか、身についてもいないことを受け売りしていないか──は、今の生活にもそのまま使える「日々の立て直し」の基準としてかなり実用的でした。 さらに、学んだことに振り回される段階から、自分のものとして扱えるようになる瞬間を「習う」と説明する部分も、妙に腑に落ちます。知識を足しただけでは不安は消えず、むしろ迷いが増える。その途中の心細さごと丁寧に言語化してくれるので、「ああ、この揺れは自分だけじゃないんだ」と思えるんですよね。 自分を取り戻すきっかけがほしい人に、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
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