
レ・ミゼラブル
ビクトル・ユーゴー and 豊島 与志雄
新潮社 / 1967-05-10
この本について
仕事でも日常でも、人の言動に振り回されて「自分はどう振る舞うべきか」わからなくなる時ってあります。相手の悪意なのか環境なのか、自分の心の問題なのか、その切り分けすら曖昧でしんどくなる。今回の抜粋を見ていて、同じところで立ち止まっている人が多いんだろうなと思いました。 『レ・ミゼラブル』は壮大な物語ですが、刺さるのはもっと手前の、人間の内側にある暗さや偏見をどう扱うかという視点です。司教の「恐れるべきものは外ではなく自分の内部にある」という言葉は、自分の反応の荒さに悩む人ほど静かに効いてきます。また「社会がつくった闇の責任」という一節は、誰かを判断するとき、その人の背後にある環境に目を向ける余裕を思い出させてくれます。さらに「人の精神は庭である」という比喩は、心の状態を放置せず、育て方しだいで変わるという実感につながります。 大げさな救いではなく、日々の判断の基準が少し変わる感じです。誰かを責める前に一度立ち止まれるようになったり、相手の影ではなく背景を見る癖がついたり。この物語の厚みはそこにあります。 「他人の行動より、自分の心の扱い方で悩みがちな人」に静かに刺さる本だと思います。
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