
世界史の中のパレスチナ問題 (講談社現代新書)
臼杵陽
講談社 / 2013-01-20
この本について
中東のニュースを見るたびに、昔からずっと争っているんだろうな…と漠然と片づけてしまうことがありました。けれど「なぜこうなっているのか」を遡ろうとすると、宗教や歴史や政治が一気に押し寄せてきて、どこから手をつければいいのか分からなくなる。そんなモヤモヤを抱えている人には、この本がちょうどいい入口になります。 読んでいて何より効いたのは、「民族対立」という見えやすい枠組みが、実は近代の政治の中で“作られていったもの”だと腑に落ちることでした。アラビア語を話すユダヤ教徒が普通に暮らしていた時代があったという事実や、強大国が弱小国を支配するにも理屈が必要だったという冷静な指摘に触れると、現在の状況が必然の結果ではないことが見えてきます。また、中東の国内政治と国際政治が常に絡み合う構造を描く部分は、ニュースで流れる出来事を違う角度から読み取る助けになりました。 専門知識がなくても追える語り口ですが、読者を単純化された結論へ誘導しない距離感が心地よいです。世界史の中に位置づけ直すことで、パレスチナ問題を「理解した気になる」のではなく、「分からなさを減らす」ための本だと思います。 歴史の複雑さに圧倒されつつも、一歩だけ深く踏み込みたい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
読書の順序
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