
中東から世界が崩れる イランの復活、サウジアラビアの変貌 (NHK出版新書)
高橋 和夫
この本について
中東のニュースって、断片的な言葉だけが飛び交って、全体の流れがつかめずにもやっとしがちです。宗派だとか、革命だとか、産油国の思惑だとか…結局どこがポイントなのか、自分の中で整理できないまま流してしまうことが多いなと感じています。 この本は、その混乱をほどく時にちょうどいい距離感なんですよね。たとえば、イランとサウジの対立を「宗派の違い」とだけ片付けないで、王制への恐怖や歴史的な上下意識まで普通の言葉で説明してくれる。イスラエルとの関係でも、アラブ人ではないイランがなぜあれほど強硬なのか、国としての立ち位置から読み解ける。アメリカの関与も、長年“警察官役”をすげ替えてきた結果どうなったのかが、具体的な出来事と一緒に見えてくるので、ニュースの意味が急に立体的になります。 読んでいて感じたのは、中東って「複雑だから理解できない」のではなく、「背景を知らないまま表面だけを追っていたからつながらなかっただけ」なんだということでした。仕事で海外情勢に触れる人だけでなく、日常的にニュースに置いていかれがちな人ほど、視界がひらけるはずです。 特に、地名や宗派の言葉を聞くだけで頭が固まってしまう人に刺さる一冊だと思います。
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