
世界史を変えた薬 (講談社現代新書)
佐藤健太郎
講談社 / 2015-10-20
この本について
仕事で判断に迷ったり、歴史を学んでも現実にどうつながるのかピンと来なかったりしませんか。自分もそうで、特に科学の話は「面白いけど日常には関係ない」と思いがちでした。でも『世界史を変えた薬』を読んだとき、その距離感が少しだけ近づきました。薬という“すぐそばにあるもの”が、時代の流れをどう動かしてきたのかが、妙に実感できるんですよね。 例えば、壊血病や麻酔の話。コラーゲンがつくれなくなると身体が壊れていくという当たり前の事実や、150年以上使われている麻酔の仕組みすら実はよくわかっていないこと。こういう「知っているつもりだったけど、実は足場がふわふわしていた」部分を丁寧に拾い上げてくれるので、物事を疑う視点が少し育ちます。また、天才たちが妙な方向に暴走してしまうエピソードや、ルイ16世の手術の先延ばしが革命の火種になった話など、人間くささがそのまま歴史の転換点になる感覚も面白いところです。 読んでいて思ったのは、世界史って大きな事件の積み重ねではなく、誰かの恐怖や躊躇、思いつきや偶然で動いていくんだなということ。薬という切り口は専門的に見えるけれど、むしろ「自分の小さな判断も、世界のどこかにつながるのかも」と考えるきっかけになる本でした。細部が好きな人、寄り道の多い歴史のほうがしっくりくる人には特に刺さると思います。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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