
ルネサンス 歴史と芸術の物語 (光文社新書)
池上 英洋
この本について
歴史の本を読んでいて、「結局これは昔の遠い話で、今の自分に何が関係あるんだろう」とモヤモヤすること、ありませんか。僕もそうで、名前だけ知っている偉人や事件が、どうして生まれたのか、その裏にどんな生活や不安があったのかがつかめないままページを閉じてしまうことがよくあります。 『ルネサンス 歴史と芸術の物語』は、その距離をけっこう丁寧に埋めてくれる本でした。たとえば金融家が命がけの旅に息子を送り出し、その無事を祈る気持ちが宗教画の主題に反映されていく話を読むと、「歴史を動かしたのは名前の残った偉人だけじゃない」という当たり前のことが腑に落ちます。あるいは、ギリシャ哲学や天文学の知が、翻訳に翻訳を重ねてヨーロッパに戻ってくる過程を知ると、文化の流れって直線ではなく、むしろ回り道の連続なんだと実感できます。さらに、フランチェスコのように、ひとりの行動がじわじわ広がっていく様子を追っていると、「変化って案外こういう小さな始まりからなんだよな」と自分の生活にも引き寄せられてきます。 大げさに人生が変わる類いの本ではないですが、歴史にある“人の気配”を拾いながら読むと、今の自分の仕事や選択の見え方が少しだけ柔らかくなる感じがあります。表面的な年号暗記が苦手で、背景の流れを知りたい人に刺さると思います。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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