
電気サーカス (アスキー書籍)
唐辺 葉介
角川アスキー総合研究所
この本について
人間関係で妙に疲れたり、昔のことでふと足首をつかまれたような感覚になる時ってあると思います。理性ではもう終わった話のはずなのに、体のどこかに残っていて勝手に反応してしまう。自分でも扱いきれない感情の濁りに、たまにうんざりすることがあります。 『電気サーカス』は、その濁りをきれいにしてくれる本ではありません。むしろ、自分の内側に沈んでいたものを静かに掘り起こされるような読後感があります。どうしようもない劣等感や、他人との距離がつかめないまま関わり続けてしまう関係、環境に馴染めない自分への冷めた視線。そういう部分がそのまま言語化されているから、読んでいて少し怖いのに、どこか安心するところもあるんですよね。 特に、人生の最初期にすり込まれたものが結局いまの行動に影響を残し続ける、という視点には、逃げられなかった自分の癖とようやく向き合えた感じがありました。あと、世界と自分の噛み合わなさを冷静に観察してしまう主人公の眼差しは、同じような経験のある人にはかなり刺さると思います。 うまい生き方を知りたい人よりも、「どうして自分はこうなんだろう」と一度でも立ち止まったことのある人向けの本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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