
傭兵の二千年史 (講談社現代新書)
菊池良生
この本について
仕事でも人生でも、目の前の仕組みがどうしてこうなっているのか分からず、なんとなくモヤモヤすることがけっこうあります。理不尽とか、不合理とか、でも「昔からそうだから」で片付けられてしまう感じです。そんなときに歴史の本を読むと、現在の制度や価値観が偶然の積み重ねでできていることに気づけて、ちょっと呼吸が深くなることがあります。 『傭兵の二千年史』は、まさにその「積み重ね」を徹底的に追いかけた一冊でした。たとえば、農民が反乱軍に寝返り、自分の戦闘ノウハウまで共有した話には、支配する側とされる側の境界がいかに曖昧かを思い知らされます。あるいは、スイスが傭兵産業から時計産業に軸足を移した流れを読むと、国や組織の「転身」には外から来た人材や偶然の機会が決定的に作用することが分かってきます。さらには、ナショナリズムが「想像の共同体」というアイデアから生まれたことを知ると、自分が信じている枠組みも、歴史の中の一つの発明にすぎないのだと腑に落ちます。 結局のところ、この本は戦争や傭兵の物語を通して、人間の欲、制度の設計、権力の仕組みがどう動くのかを立体的に見せてくれます。いまの組織の理不尽に疲れたときや、世界の動きが急に読めなくなったときに読むと、足場がひとつ増える感覚があります。歴史の裏側にある論理を知りたい人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
読書の順序
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