
神聖ローマ帝国 (講談社現代新書)
菊池良生
講談社 / 2003-07-20
この本について
仕事でも歴史でも「なんでこんな形になったんだろう」と考えてみても、途中のねじれや偶然が多すぎて、結局よく分からないまま放置してしまうことがけっこうあります。正統性って何なのか、肩書きや役職にどれほど意味があるのか、そのあたりが曖昧なまま動いている感じに近いです。 『神聖ローマ帝国』を読んでおもしろかったのは、その“曖昧さの積み重なり”がどうやって巨大な歴史をつくっていくのかが、具体的な人間の判断や見栄、恐れ、計算として描かれていたことでした。ザクセン朝が生まれるときの「フランク人ですらない」ズレや、王の霊威が血統と結びついてしまう理屈、ナポレオンが平然と皇帝を名乗ってしまう破れかぶれの論理など、どれも後から体系化された理由ではなく、その場の息遣いそのままに動く政治でした。読んでいると、正しさよりも“誰がどう思うか”が流れを決める瞬間だらけで、現代の組織を眺めているような生々しさがあります。 肩書きや形式にどこまで意味を持たせるかで悩む人、あるいは「なぜこの制度はこんな形なのか」の答えが見えずにモヤモヤしている人には、とても相性がいいと思います。歴史というより、権威のつくられ方を覗く本として読むと、少し世界の見え方が変わる一冊でした。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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