
ガダラの豚 I (集英社文庫)
中島らも
集英社 / 1996-05-17
この本について
ときどき、自分の「判断の根拠」がぐらつく瞬間ってありませんか。説明できない出来事に出会ったり、人の強い言葉に押されたりすると、頭の中が空白になって、つい都合のいい答えに飛びつきそうになる。わかってるのに抗えない、あの感じです。 『ガダラの豚 I』は、まさにその“揺らぎ”の正体を見つめる小説でした。超能力や呪術といった派手な題材が並んでいますが、読み進めるほど、人間の認知の弱さとか、洗脳の構造とか、「説明できないものを説明したくなる欲望」のほうがむき出しになってきます。奇術師が看板を外せば、いくらでも聖人にも預言者にも化けられてしまうという話も、ただのトリック論に留まらず、僕ら自身の思い込みの仕組みを見せつけてきます。 特に刺さったのは、説明を思いつかないだけで間違った結論に飛びついてしまうという指摘でした。仕事でも私生活でも、情報が多すぎる時代だからこそ、わからなさをそのまま抱えるのが耐えにくくなっている。でも、この物語は “理解したつもり” が一番危ういんだと静かに教えてくれる。その視点をもらえただけで、自分の思考の癖にひと呼吸置けるようになりました。 未知や不可解なものに弱いと感じている人、あるいは他人の言葉に引っ張られやすい自覚がある人には、特に染みると思います。派手なテーマに見えて、実はかなり地に足のついた一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
BookNotion をお使いの方へ
この本の指標は、あなたの本棚でも見られます
このページで見ている読者数・精読度・完走率は、あなた自身の本にも表示できます。BookNotion をお使いなら、下のリンクを開くだけで自分のデータが出ます(ログイン操作は不要です)。
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要







