
ミステリーのおきて102条 (角川文庫)
阿刀田 高
KADOKAWA / 2001-10
この本について
物語を読むとき、「ここは作者の思惑どおりに動かされてるだけなんじゃないか…」とか、「どんでん返しって、結局ご都合主義じゃないの?」みたいな気持ちになることがありませんか。自分もミステリーを読むたびに、その違和感の正体をつかみきれずにいました。 阿刀田高さんの『ミステリーのおきて102条』は、そうしたモヤモヤに静かに輪郭を与えてくれる本でした。たとえば、ミスリードは“導く”より“読後のアフターケア”が難しいという指摘や、読者の鋭敏さを測りながらほのめかしの量を調整するという話は、読み手としても思い当たる節が多いところです。また、「ひっくり返ったとたんに人生が見えてくる」どんでん返しの条件は、自分がなぜある作品に強く惹かれるのかを言語化してくれました。さらに、登場人物の名前をどう工夫するかといった具体的な手法までさらりと書かれていて、作り手の思考をのぞくような面白さがあります。 作品選びに迷ったとき、「どこに自分が反応しているのか」を知りたい人には特にしっくりくると思います。ミステリーを読む目線が少し変わるだけで、次の一冊に対する感じ方がまるで違ってくる。自分もこの本を読んでから、仕掛けに飲まれるんじゃなく、仕掛けを味わえるようになりました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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