
罪と罰 3 (光文社古典新訳文庫)
ドストエフスキー and 亀山 郁夫
新潮社 / 2012-10-09
この本について
最近、頭の中がぐちゃぐちゃになって、何が正しくて何が間違っているのか、判断そのものが信用できなくなることがありませんか。焦って動くほど空回りして、「なんでこんな行動したんだろう」とあとから自分に呆れる、あの感じです。『罪と罰 3』を読んでいると、ラスコーリニコフの迷走がそのまま自分の日常の縮図みたいに見えてきます。 たとえば、のぼせあがったとき人はどこまでもばかになれる、という指摘。これ、事件とは縁のない生活でもそのまま当てはまるんですよね。判断が濁っているときほど何かしたくなる。でもほんとうに必要なのは、空気だけ、という冷静な目線も出てくる。あるいは、自分がやったことの「罪」がどこにあるのか分からないまま、自分の小ささだけが際立つあの感じ。ラスコーリニコフの自問自答は、答えをくれるというより、自分の思考の癖を照らしてくれるように思います。 この巻は、「正しさよりも、いまの自分の心の形を知りたい人」に刺さるはずです。読んでいると、劇的に何かが変わるというより、混乱のただ中にいる自分を少しだけ引き離して見る余裕が生まれる。その距離感が、けっこう大事なんだと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの100%が集中しています。
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