グランド・ブルテーシュ奇譚 (光文社古典新訳文庫)

グランド・ブルテーシュ奇譚 (光文社古典新訳文庫)

バルザック and 宮下 志朗

累計読者数5
平均ハイライト数 2.6件/人
推定読了時間 約5時間7分
star総合評価 31/100
boltライト読書型

この本について

人と話していて、自分には「これ」と言える話題がないな…と焦ることがあります。年齢を重ねても青春の感覚が薄れていくばかりで、若いころの好奇心や偏愛みたいなものがどこかに置き去りになっている気もします。そんなときにバルザックのこの短篇を読むと、少しだけ視界が変わります。 この物語では、古い屋敷に残された “秘密” や、食卓で語られるべき “物語のタイミング” が何度も強調されます。読んでいると、自分にもどこかに眠ったままの情熱や、誰かに語りたいのにしまい込んでいる過去の断片があることを思い出させられます。「十八番の話題がない人間は、人生を味わえない」という一文は強いけれど、読み進めると、それが説教ではなく “小さな執着を許すこと” の大切さとして響いてきます。 そして何より、この話は「青春を理解するためには、ずっと若いままでいることが必要」という一見逆説的な言葉を、ただの名言で終わらせません。老いも経験も、物語として語られたときに初めて意味を帯びるんだなと、読み手の側の記憶まで揺さぶってくるのです。 日々の生活の中で、自分の情熱の居場所を見失っている人に刺さる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

妻の不貞に気づいた貴族の起こす猟奇的な事件を描いた表題作、黄金に取り憑かれた男の生涯を追う「ファチーノ・カーネ」、旅先で意気投合した男の遺品を恋人に届ける「ことづて」など、創作の才が横溢する短編集。ひとつひとつの物語が光源となって人間社会を照らし出す。
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