
経済学・哲学草稿 (光文社古典新訳文庫)
マルクス and 長谷川 宏
この本について
最近、「努力してるのに、自分の力がそのまま世界に届いてない気がする」と感じることが増えていました。仕事をしても成果がどこかに吸い取られるような感覚とか、お金で何でも解決できるように見えて、本当は自分自身は何も変わっていないようなむなしさとか。ああいうモヤモヤにうまく名前が付けられずにいたんですが、『経済学・哲学草稿』を読むと、その感覚がどこから来ているのかが少し輪郭を持ってきました。 たとえば、労働すればするほど自分の内側が痩せていくように感じるのは、マルクスが言う「外化」の話を読むと、ただの気のせいじゃないと思えてきます。自分の時間と力を差し出すほど、成果物が自分から離れていく構造がある。あるいは、お金が「なんでもできる能力」に化ける一方で、お金そのものは自分を変えてくれないという指摘は、日々の焦りに直に触れてきます。あと、人間と自然の関係を「非有機的な身体」として捉える視点は、仕事中心の生活で削れていく感覚がどこへつながっているのか、深いところで整理してくれました。 全部がすぐ役立つタイプの本ではないですが、自分の違和感の正体を丁寧に解きほぐしたい人には、かなり刺さると思います。普段の働き方や、自分が何を「交換」して生きているのかを見直したいときに、ゆっくり読むと効いてくる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの34%が集中しています。
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