
日本人のための「集団的自衛権」入門(新潮新書)
石破 茂
新潮社 / 2014-02-20
この本について
安全保障の話って、自分には判断材料が足りないまま「なんとなく不安だけ残る」ことが多いですよね。武器輸出の是非とか、集団的自衛権って聞くだけで身構えるけれど、じゃあ何を根拠に考えればいいのかと言われると曖昧なまま…という感覚、僕も長く持っていました。 この本は、そこで止まっていた思考を一段ほぐしてくれました。たとえば、日本が武器を輸出していないからといって「平和国家として評価される」わけでもない、という指摘は、善悪のイメージだけで判断していた自分にはかなり現実的に響きました。また、集団的自衛権が「どこかの大国の戦争に巻き込まれる仕組み」ではなく、本来は小国側の安全を確保するための知恵だという説明も、国際法の具体的な条文を踏まえて整理されていて、ようやく議論の地図が描ける感じがありました。 さらに、過去の戦争やアジアへの加害の歴史を検証する必要性を、制度論と同じレベルで扱っている点が個人的には大きかったです。安全保障を語るうえで、自国の立ち位置をどう捉え直すかという“前提作り”まで含めて説明してくれる本は多くありません。 ニュースを追うだけでは足りないと感じている人、そして「わからないまま賛否を迫られる状況」に疲れている人に、静かに効く一冊だと思います。
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