
近代文化史入門 超英文学講義 (講談社学術文庫)
高山宏
講談社 / 2007-07-10
この本について
仕事でも日常でも、「なんで自分はこんなに“見えてない”んだろ」と思うことがけっこうあります。物事の意味が一枚で決まらないのは分かっているのに、つい単純化したくなる。そんなときに、この本の抜粋を読んでいると、世界をもう一度“観る”ところからやり直す感覚がありました。 たとえば、同じ赤にも無数の言葉があるとか、風景はただ見るものではなく「観る」ことで形になるものだとか、文章が七つ八つの意味を抱えていてもいいとか。そういう視点に触れると、自分の理解が浅いというより、そもそも世界が多層的なんだと気づけるんですよね。曖昧さを排除するより、その揺らぎごと扱う方が楽になる場面もある。そう思えるだけで、仕事での言葉選びや、人の意図を読むときの構えがだいぶ変わってきます。 この本は、ロマン派や英文学史を追いながら、私たちの見方そのものがどう作られたのかを丁寧にほどいてくれます。過去の人々が「どう世界を切り取ってきたか」を知ると、自分が今どんなレンズで物を見ているのか、少し客観視できるんですよね。迷っているときほど、こういう遠回りが効いてくる気がします。 自分の“ものの見方”をアップデートしたい人にしっくりくる一冊だと思います。
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