
モダニズムのハード・コア―現代美術批評の地平 批評空間 第2期臨時増刊号
磯崎 新, 柄谷 行人, 浅田 彰, 岡崎 乾二郎, 松浦 寿夫, 田中 純, and 丸山 洋志
この本について
仕事でも創作でも、「説明できるものしか扱えない感じ」に息苦しさを覚えるときがありますよね。クライアントや周囲がわかりやすさを求めるほど、自分が見ている複雑さや矛盾が置き去りになるような感覚。頭では整理したいのに、実際の現場では複数の視点が同時に立ち上がってしまう、あのやっかいな状態です。 この本は、そんな「一つにまとめられないもの」とどう付き合うかを、現代美術・建築の議論を通してじっくり考えさせてくれます。例えば、平面と奥行きが同時に知覚される“透明性”の話は、ものごとを一枚の図として固定しようとする思考そのものを疑うきっかけになりますし、リテラル/フェノメナルの対立は、説明可能性と実際の経験のズレを扱う際のヒントになる。さらに、場所性や複数の主観が衝突する場面の話を読んでいると、「矛盾していて当たり前」という視点がだんだん自分の中に育っていきます。 特に、単純な整理やスローガンで世界をまとめきれないと感じている人にはすごく刺さるはずです。わたしも読んでいて、理解より先に「ああ、こういう迷い方でいいんだ」と思えた本でした。
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