
【全15巻合本版】角川インターネット講座 (角川学芸出版全集)
村井 純
KADOKAWA
この本について
インターネットの仕事に関わっていると、「自分はこの巨大な仕組みのどこを理解できていないんだろう」とか、「技術の話をしているはずなのに、いつのまにか人間や社会の話になるのはなぜだろう」といったモヤモヤがつきまといます。技術書を読んでも局所的な知識しか残らず、全体像がつかめないまま進んでいく感じ、僕もけっこう長く引きずっていました。 この本は、その迷いに対していきなり答えをくれるわけではないんですが、視点を少しずつずらしてくれるところが効きます。たとえば「パケット交換の本質は相乗り」という一文は、通信の効率化の話に見えて、実は「インターネットは人がどうつながるか」という根っこの考え方につながっていく。また、「人間に合わせる仕様を選ぶ」というくだりは、技術と人間の優先順位を整理し直すきっかけになるし、「知を共有するための場所が必要だった」という話は、現代のコミュニティの成り立ちを自分ごととして理解させてくれます。 読み進めるほど、インターネットを単なる技術じゃなく、人間の延長として見る感覚が育っていく本です。技術に詳しくない人でも、社会とか生き方とか、自分がどこに立っているのかを考える材料になる。逆に、技術側にいる人ほど「結局、人間の話をしていたんだな」と気づかされるはずです。 ネットと人間の関係にうっすら違和感を抱えている人ほど、静かに刺さる一冊だと思います。
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