
シッダールタ(新潮文庫)
ヘルマン・ヘッセ and 高橋 健二
新潮社 / 1971-02-15
この本について
仕事でも人間関係でも、表向きはうまくやれているのに、ふと「自分って何を拠り所に進んでいるんだろう」と立ち止まる瞬間ってありますよね。私も、流されて生きているような感覚が抜けなくて、何かを学んでも芯が育っていかない時期がありました。 『シッダールタ』を読むと、そのモヤモヤが少し別の角度から見えてきます。主人公が「自分に不安を抱いていた、自分から逃げていた」と気づく場面や、快楽にも禁欲にもどっぷり浸かった末に「それでも満たされない自分」を見つめざるを得なくなるくだりは、まさに私たちが避けて通りがちな感情に正面から触れさせてくれます。さらに、川の音に耳を傾け続けるように、外の答えを取りに行くより“いまの自分”の声に滞在することの意味が、派手ではないけれどじんわり効いてきます。 特に、努力や学びを積み上げるほど迷いが増えてしまう人、あるいは何かを得てもすぐ不満が湧いてしまう人には、安心して読める本だと思います。救いの言葉を浴びるというより、「自分の中に戻るための静かな休憩所」を覗きに行くような感覚に近いです。 こんな人に刺さると思います。何かを変えたいけれど、派手な成功論より“自分の足で立つ感覚”を思い出したい人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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