
にぎやかな未来 (角川文庫)
筒井 康隆
KADOKAWA / 2016-06-18
この本について
最近、自分だけ時間の流れがズレているような感覚になることがあって、周りは普通に動いているのに、自分だけ取り残されていくようなあの妙な孤独に、どう向き合えばいいのか分からなくなることがあります。焦りとも違うし、休めば治るものでもない。この本の抜粋を見ていると、まさにその“世界との噛み合わなさ”に強く反応している人が多いんだろうなと思いました。 『にぎやかな未来』はSFではあるけれど、描かれるのは超常現象よりも「人が限界に追い込まれたとき、世界の見え方がどう歪むか」という感覚そのものです。外界のテンポから外れていく主人公の不調和や、理由もなく湧き上がる破壊衝動、信じていたものに裏切られたときの急激な孤独。読んでいて心地よい話ではないけれど、自分が抱え込んでいるモヤモヤが“理解されている側”に回る瞬間があります。世界のスピードに合わせられない自分は壊れているんじゃなくて、ただそういう状態にいるだけだと、少し冷静に見られるようになるところが、この作品の妙な効き方だと思います。 作中の主人公も、理性的であろうとするほど暴走していきますが、その感じに心当たりがある人はたぶん静かに刺さるはずです。こんな人に刺さる:自分の内側のざわつきに説明をつけられず困っている人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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