
絶望読書~苦悩の時期、私を救った本~
頭木弘樹
飛鳥新社 / 2016-05-14
この本について
なんとなく心が重い日ってありますよね。理由がはっきりしないのに、気力がわかない。周りから見れば普通に生活できているように見えても、自分の内側では説明のつかない不調が続いている。僕自身も、こういう「正体のわからない悩み」に長く振り回された時期がありました。 『絶望読書』は、その曖昧な苦しさに言葉を与えてくれる本です。著者は、不快な感情そのものが悪いわけではなく、それを避けようと必死になるほど心は壊れていく、と穏やかに指摘します。悲しみをすぐに片づけようとせず、ちゃんと最後まで経験することで癒えていく、という視点も印象的でした。また、アリストテレスの「そのときの気分と同じ音楽を聴くと心が癒える」という話のように、感情に逆らわず寄り添う方法がいくつも紹介されています。 もうひとつ、この本が強いのは「物語がどうして人を助けるのか」を丁寧に示してくれるところです。現実をうまく生きられないとき、フィクションが代わりに世界の見え方を整えてくれる。暗い道を歩くときの懐中電灯のように、物語が自分の足元を照らしてくれる。その説明に救われた読者が多いのは、抜粋の反応を見ても伝わってきます。 うまく言えない不調を抱えている人、自分の感情に蓋をしてしまいがちな人には、そっと寄り添ってくれる一冊だと思います。読後に劇的に立ち直るわけではないけれど、足元が少しだけ確かになる。そういうタイプの本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
読書の順序
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