
現場で役立つ! セクハラ・パワハラと言わせない部下指導--グレーゾーンのさばき方 (日本経済新聞出版)
鈴木瑞穂
この本について
部下指導をしていると、「これは厳しく言っていい場面なのか」「相手が嫌がったらパワハラになるのか」と、線引きのあいまいさにいつも疲れてしまうことがあります。相手の反応だけを見ていると、必要な指導まで萎縮してしまうし、逆に言いすぎていたのでは、と後から不安になる。自分もまだ迷いの中にいるので、この感覚はかなりよく分かります。 この本が助けになるのは、感覚ではなく“判断の軸”を一つずつ示してくれるところです。たとえば、行為者の思惑やその場の前後関係、職場の文化など、グレーに見える場面で実際に何を見ればいいのかが書かれていて、自分の中の「なんとなく」が整理されていく感覚があります。また、業務上必要で適正な範囲ならパワハラに当たらない、という厚労省の定義を、実際のセリフや場面に落とし込んで考える章があり、指導の瞬間に迷わなくなるのが大きいです。さらに、相手に伝える言葉を考えると急に論点が抜け落ちてしまう、という“あるある”も具体例で示されていて、自分の癖にも気づけました。 ハラスメントを過度に恐れて言葉が出なくなるタイプの人より、「ちゃんと育成したいのに、どうしてもグレーが怖い」という人にこそ届くと思います。扱うテーマは重いけれど、現場で迷っている人の背中を少しだけ支えてくれる一冊でした。
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