
POWERS OF TWO 二人で一人の天才
ジョシュア・ウルフ・シェンク and 矢羽野薫
英治出版 / 2017-04-12
この本について
人と組んで動くとき、「似ているほうが楽だけど、違うところがないと前に進まない…でもその“違い”がしんどい」という矛盾にずっと悩んでいました。相性なのか距離の問題なのか、自分のせいなのか相手のせいなのか。ひとりで考えても堂々巡りになるあの感じ、けっこうあると思います。 『POWERS OF TWO』は、そのモヤモヤを“人間関係の構造”として説明してくれる本でした。似ている部分は安心を生み、違う部分は刺激や前進を生むという、避けようのない二面性がまず前提にある。そのうえで、直接会って話す量や物理的な距離、関係の中でどう役割が変動するかといった、かなり現実的な条件がペアの創造性を左右するという視点が入ってきます。「うまくいく組み合わせとは何か」というより、「どんな場や距離感なら自分たちは機能するのか」を考えられるようになるのが大きな収穫でした。 特に、安心と新鮮さを行き来する揺れが“普通のこと”として扱われているのが救いでした。相手に腹が立つところが、同時に惹かれるところでもある。逃げたいのではなく、関係の力学から一度身を離したいだけのときがある。その感覚を言語化してくれるので、相手との問題というより、関係そのものをどう育てるかという視点に切り替わります。 誰かと組んで何かを作っている人ほど、静かに効いてくる本だと思います。
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