イスラーム文化-その根柢にあるもの (岩波文庫)

イスラーム文化-その根柢にあるもの (岩波文庫)

井筒 俊彦

岩波書店 / 199412

累計読者数6
平均ハイライト数 54.8件/人
star総合評価 80/100
start序盤集中型

この本について

異文化のニュースを見るたびに、価値観の前提がまったく違う世界をどう理解すればいいのか、立ち止まってしまうことがあります。こちら側の常識をいくら磨いても届かない感じというか、「結局どこから考えればいいんだろう…」というモヤモヤが残るんですよね。 井筒俊彦『イスラーム文化―その根柢にあるもの』は、その行き場のない違和感に静かに手を伸ばしてくれる本でした。特に印象的なのは、善悪すら神の意志によって決まるというイスラーム的世界像や、政治と宗教を切り分けない考え方など、自分の思考の土台とはまったく別の前提が、論理としてしっかり成立していると分かるところです。また、同じコーランという単一のテクストから多様な文化が立ち上がるという話は、「なぜ解釈が分かれるのか」という素朴な疑問に目線の高さを与えてくれます。さらに、異文化の激突が破壊だけでなく新しい創造の源にもなるという視点は、私たちの身近な職場の摩擦やチームの軋みを見直す手がかりにもなると思います。 自分の前提が揺れるのがむしろ心地よく感じられるタイプの人に刺さる本です。

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