
笑い (岩波文庫)
ベルクソン、林 達夫
平凡社 / 2016-01-12
この本について
最近、自分でも気づかないうちに「反応がパターン化してきたな…」と感じることが増えました。忙しさに押されて、目の前の出来事にちゃんと向き合わず、習慣で処理してしまうあの感じです。そんな時に読むと視点が揺さぶられるのが、ベルクソンの『笑い』でした。 この本がおもしろいのは、「笑い」を感情ではなく、社会の中での身振りとして捉え直してくれるところです。たとえば、滑稽さは人間的であることが条件で、しかも心が静かな時にしか落ちてこないという指摘。たしかに、焦ってる時って何もおかしく見えないし、逆に余裕がある時ほど、人の無意識のクセやこわばりが妙に気になったりします。また、笑いが集団で生まれるという話も、普段なんとなく感じていた「一人で見るとそこまでじゃないのに、劇場だと急に面白くなる」あの現象に説明がついてスッと腑に落ちました。 読んでいると、笑いを分析しているようでいて、人間の注意の向け方とか、社会がどうやって個人の無自覚な硬直をほぐそうとするのか、といった生活の根っこに触れてくる感覚があります。自分の反応が固まってきた気がする人、周囲との距離感に違和感を抱いている人には、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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