
新装版 七回死んだ男 (講談社文庫)
西澤保彦
講談社 / 2017-09-14
この本について
忙しく過ごしていると、「あのとき別の選択をしていたら、今はどうなっていたんだろう」とか、「やり直せたら少し楽なのに」とか、つい考えてしまうことがあります。答えが出ないのは分かっていても、そういう思考ってふとした瞬間に顔を出しますよね。 『七回死んだ男』を読むと、そのモヤモヤに少し違う風が入ります。主人公のキュータローは、突然“反復落とし穴”に落ちて、同じ日を何度も繰り返します。ただ、彼のループには特徴があって、「しなかったことになる」ことで現実を意図的に変えられるんです。つまり、ただのやり直しではなく、毎回“別の未来”を作れる。その感覚が、現実の自分の選択にも妙にリンクしてきます。選ばなかった道は消えるけれど、だからこそ今の選択に重みがあるというか。 加えて、この家族の奇妙なキャラクターたちとのやり取りが、妙にリアルなんですよね。“規則性のない落とし穴”に振り回されるキュータローを見ているうちに、自分の日常の「予測不能さ」も、少し笑えるものに思えてきます。決して説教くさくないのに、読み終わるとちょっと視界が変わる感じがあります。 選択に迷いやすい人、あるいは「もしも」が頭から離れないタイプの人には、静かに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの71%が集中しています。
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