
博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話 (ハヤカワ文庫NF)
サイモン ウィンチェスター and 鈴木 主税
この本について
仕事でも生活でも、何かを「正しくやらなきゃ」と思うほど、言葉選びまでぎこちなくなることがあります。自分の中の混乱や弱さが見えてくると、余計に言葉と向き合うのがしんどくなる。そんなときにこの本を読んで、辞書という“整ったもの”の裏に、とんでもなく混乱した人間の歴史があることに妙な救われ方をしました。 OEDをつくった人々は、完璧な理性の持ち主ではありません。むしろ、罪悪感に押しつぶされかけたり、自分の衝動を持て余したり、信念が揺れたりしながら、それでも言葉の歴史を積み上げていった。読者の方が保存していた抜粋の多くも、まさにその“揺れ”に触れているところだと思います。言葉は高尚な人だけのものじゃなくて、廃語も新語も混ざり合うように、人間もまた整っていなくていい。そんな視点をもらえます。 個人的には、社会から距離を置かれたマイナーが、たった一通の手紙に「仲間に入れてもらえた」と感じる場面がずっと残っています。何かをつくるとき、人は完璧だから参加できるのではなく、混乱ごと抱えたまま関わっていいんだと背中を押される感じがあります。 ものごとを“きれいに整えようとしすぎて疲れている人”に刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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