
学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方 (角川文庫)
サンキュータツオ
KADOKAWA / 2016-11-25
この本について
言葉を使う仕事をしていると、「この言い回しで本当に伝わってるのかな」とか、「似たような言葉の違いが、どうもしっくり整理できない」というモヤモヤがたまに出てきます。辞書を引けば意味は載っているけれど、いま引っかかっているポイントには届かない感じがする、あの感覚です。 この本は、そういう行き場のないモヤモヤに、国語辞典という道具の“見方そのもの”から手を伸ばしてくれます。「ドアがあいている」と「あけてある」の違いを、意志の有無で整理するような視点や、「二階へ上がる」と「手が上がる」を全体と部分で区別する発想など、言葉を分解するための軸がじわっと増えていくんです。辞書を読む楽しさというより、言葉をどう捉えるかの“考え方”が静かに更新されていく感覚に近いと思います。 さらに面白いのは、辞書そのものにも思想があると教えてくれるところ。三省堂は用例主義、岩波は規範主義、広辞苑は百科事典寄り、といった背景を知ると、同じ語を引いても見える景色が変わります。「まちがった日本語」と言われる表現も、研究者は“揺れ”として扱うという話も、日常で言葉に戸惑ったときの逃げ道になりました。 言葉に正解を求めすぎて疲れてしまう人、もしくは文章を書くたびに小さな違和感が残る人には、とても静かに効く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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