
思考をあらわす「基礎日本語辞典」 (角川ソフィア文庫)
森田 良行
KADOKAWA / 2018-03-24
この本について
言葉を選ぶたびに、「なんか違うんだよな……」という小さな違和感が積み重なることってありませんか。文章を書くときも、人と話すときも、同じ日本語なのに伝わり方が変わる。その理由が自分でもつかめなくて、もやっとしたまま進んでしまう感じです。 この本は、そのもやもやをかなり具体的に扱ってくれます。「かわいそう」と「気の毒」の距離感の違いみたいな、普段なら流してしまう微差が、一つずつ丁寧に分解されていく。しかも単なる語義ではなく、主体や文型、状況によって意味がどう動くかまで踏み込んでくれるので、自分の言葉遣いのクセが浮き上がってきます。たとえば「決して」と「絶対に」に含まれる姿勢の違いを知ると、同じ否定でも自分がどこに譲歩しているかを自覚できたり、「思う」と「考える」の差を知ることで、判断と感情の境目に目が行くようになったり。 仕事の文章でも、日常の会話でも、「なんとなく」で選んでいた言葉が、意図を持って選べるようになる感覚があります。とくに、語の裏側にある心の動きを丁寧に見たい人にはしっくりくるはずです。 自分の言葉が自分の思考そのものだと思っている人に、静かに刺さる一冊だと思います。
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