
ココ・シャネルの言葉 (だいわ文庫)
山口路子
この本について
最近、自分の価値観がぶれているなとか、人に合わせすぎて疲れるなと感じる瞬間が増えていませんか。何かを好きになろうと頑張るより、「これは嫌だ」と思う気持ちのほうが先に出てくることもある。でも、その“嫌い”を無視すると、どんどん自分が薄まっていく感じがするんですよね。 『ココ・シャネルの言葉』は、その“嫌い”を丁寧に扱う本でした。シャネルは莫大な成功を手にしながらも「所有することは醜い」と言い切り、モノではなく人に投資したり、十九世紀的な装飾文化を徹底的に排したり、とにかく自分が嫌だと思うものを容赦なく遠ざけていきます。読みながら、自分の生活にも「本当は嫌だけど惰性で続けていること」がいくつあるだろう、と考えさせられました。また、二十歳・三十歳・五十歳の顔に込められた話のように、人生の節目を“積み重ねた結果の表情”として引き受ける姿勢は、自己否定に傾いたときの軸にもなります。 とはいえ、シャネルの言葉は完璧な教科書ではありません。愛に関する価値観など、時代背景もあって正直ひっかかる部分も多い。でも、その矛盾や偏りを含めて「こういうふうに自分を貫いた人がいた」という事実が、こちらの思考を押し広げてくれる感覚があります。自分の“嫌い”をもっと大事にしたい人、つい謙虚を言い訳にしてしまう人には、とくに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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