
マンガの遺伝子 (講談社現代新書)
斎藤宣彦
講談社 / 2011-12-20
この本について
仕事の合間にマンガを読むたび、「なんで自分はこんなにこのパターンに惹かれるんだろう」とか、「今の作品って昔とどうつながっているんだろう」とぼんやり考えることが多いんですが、調べようとすると意外と断片的な情報しか出てこないんですよね。好きで追っているはずなのに、体系的な流れは全然知らないまま、というモヤモヤがずっとありました。 『マンガの遺伝子』は、その穴をほどよく埋めてくれました。たとえば、今のバトルマンガの“当たり前”の構図が、戦後の「怪魔もの」からどうつながってきたのか。あるいは、スポーツものがどのタイミングで読者の心をつかみ、何がその背景にあったのか。ひとつひとつのジャンルが突然生まれたわけではなく、当時の価値観や社会の空気と連動して形作られているのが、具体的な事例とともに見えてきます。読者が保存していたような細部──「アルプススタンド」の名付け親が誰だったか、マンガ家を主人公にした純文学がどれだけ珍しいか──そういう小さな事実が全体の流れをぐっと立体化してくれるのが、この本の面白いところでした。 マンガをただ“好き”で終わらせたくない人や、作品の背景を知ることで読み方を少し深めたい人にとっては、静かに効いてくる一冊だと思います。今の自分の好みがどこから来ているのか知りたい人には、とくに刺さるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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