
現場が動き出す会計 ―人はなぜ測定されると行動を変えるのか (日本経済新聞出版)
伊丹敬之 and 青木康晴
この本について
数字で現場を見ようとすると、どうしても「利益が出ているか」「コストは下がっているか」ばかりに意識が向いてしまって、実態とズレている気がする。頭では分かっていても、数字が整っていればどこか安心してしまう。そんなモヤモヤを抱えたまま、会議だけが積み重なっていく時期が自分にもありました。 この本が効くのは、その“数字の裏側にある行動”にしっかり目を向けさせてくれるところです。たとえば、売上は伸びているのにキャッシュが減る仕組みを具体的に追いかけていくと、押し込み販売のような現場で起きている実際の行動が見えてくる。あるいは、プロフィットセンターとコストセンターの間に生まれる変な上下関係が、どういう測定のクセから生まれるのかも丁寧に解きほぐしてくれる。数字を「信じない」のではなく、「現場を想像しながら使う」姿勢を徹底的に問い直される感覚があります。 現金主義で物事を考えると、設備投資や在庫の“ついつい”がどれだけ意思決定を歪めるかもリアルに見えてきます。キャッシュを基準に見ることで、何を維持し、どこを削り、どこに賭けるかの判断が変わっていく。その視点の切り替えが、この本の一番の価値かもしれません。 数字を扱う職種の人だけでなく、「自分の判断が本当に現場に向いているのか不安になる人」に刺さると思います。
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