ぼぎわんが、来る 比嘉姉妹シリーズ (角川ホラー文庫)

ぼぎわんが、来る 比嘉姉妹シリーズ (角川ホラー文庫)

澤村伊智

KADOKAWA

累計読者数15
平均ハイライト数 3.1件/人
star総合評価 37/100
start序盤集中型

この本について

仕事でも家庭でも、人の顔色を読みすぎて疲れたり、自分の弱さを直視するのがつらくて見ないふりをしてしまったり。そういうときって、悩みの芯がどこにあるのか自分でも分からなくなることがあります。ぼぎわん自体は怪異なんですが、この物語の刺さるところは、人が弱さを抱えたままどう生きてしまうのか、そしてその“見ないふり”がどう積み重なっていくのかが容赦なく描かれているところでした。 読者が保存していた抜粋を見ると、強がりや我慢がどれだけ心を蝕むか、そして自分の醜さに向き合う苦しさに触れた部分が多いんですよね。物語の怖さは怪異そのものよりも、登場人物たちが「大丈夫なふり」を続けた結果、日常が少しずつ歪んでいくところにあります。自分では正しいと思っていた行動が、実は誰かを追い詰めていたかもしれない。そんな“後から気づく痛み”が、思い当たる人にはかなり効くはずです。 それでもこの作品は、誰かの弱さを笑わず、淡々と描き切るところに救いがあります。我慢し続けるより、怖くても現実を見るほうがまだ前に進める。そんな地味だけど確かな視点の変化をくれました。家族やパートナーとの距離感にモヤモヤしている人、あるいは「自分の弱さをどう扱っていいか分からない人」には特に刺さる一冊だと思います。

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