
知の体力(新潮新書)
永田和宏
新潮社 / 2018-05-17
この本について
仕事でも日常でも、「これで合ってるのか」と立ち止まる瞬間ってありますよね。安全なほうを選んでおけば失敗しない気もするし、でもどこか物足りない。情報があふれているぶん、自分の判断に自信が持てなくて、つい検索で最短距離の“正解”を探してしまう。そんなときに、この『知の体力』がけっこう効いてくるんです。 永田さんは、正しさよりも“おもしろさ”を選んでみる姿勢を勧めています。ただしそれは勢いではなく、途中で迷い直せる柔らかさも含めた選択の話。自分の判断が揺れてもいいし、昨日言っていたことが今日アップデートされてもいい。腸内細菌の数が測定技術であっさり書き換わるように、人の認識なんて揺れて当然なんだと肩の力が抜けます。 そしてもう一つ印象に残るのは、「知りにいく過程」そのものへの視線です。検索すれば一発で答えに届く時代だけど、本屋をうろうろして偶然別の一冊に心を持っていかれるような、その寄り道のほうが自分を育てることがある。効率だけを積み上げていると失われがちな感覚に、そっと光を当ててくれます。 自分の判断軸を鍛えたい人、周りと比べて揺れやすい人に、とても静かに届く本だと思います。
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